目次
写経とは? 心を整える仏教の作法

写経とは、仏教の経典を一文字ずつ丁寧に書き写す修行の一つです。古くは僧侶たちが教えを後世に伝えるために行っていたものですが、現代では一般の人も気軽に体験できる“心のリフレッシュ法”として人気を集めています。書く内容は「般若心経」などの短い経典が多く、筆や筆ペンを使って一文字一文字に心を込めて書き進めていきます。
多くの寺院では写経の前にお香の香りをまとい、場の空気を整える作法が取り入れられています。

心を落ち着け、静寂に身をゆだねる準備として、このひとときもまた写経の大切な一部です。
写経には、日々の喧騒から離れて自分と向き合う時間をつくる効果があり、ストレスの緩和や集中力アップ、精神の安定にもつながると言われています。難しいルールはなく、字の上手さも問われません。むしろ「うまく書こう」と力まず、無心で取り組むことこそが大切とされています。
墨の香りや紙に筆を走らせる音に包まれて、静かに“今ここ”に意識を向ける時間。忙しい毎日を過ごす私たちにとって、写経は手軽に始められる心のリセット習慣です。
東京でできる!写経おすすめスポット
1.増上寺|浜松町

増上寺(正式名:三縁山広度院増上寺)は、東京都港区芝公園に位置する浄土宗の大本山で、1393年に創建されました。徳川家康公が菩提寺とし、以降6人の将軍を含む徳川家の霊廟が置かれた格式高い寺院です。
境内の「三解脱門」は東京で最古の木造建築で、戦災や自然災害を経ても復興を続け、今も法然上人の教えを伝える精神的拠点となっています。東京タワーを背景に佇むその景観も人気です。

増上寺では、毎月14日(7・8月を除く)に写経会を開催。参加費は約2,000円で、ご予約不要、どなたでも自由に参加可能です。13時から本堂で法話やお経を唱えた後、浄土宗の三部経(無量寿経・観無量寿経・阿弥陀経など)を小筆で丁寧に写経。書き終えた写経は写経塔に奉納され、永代供養されます。
初心者でも事前説明があり、静かな法要の雰囲気とともに集中して取り組めるため、心を整える時間にぴったりです。

増上寺
2.常在寺|桜新町

常在寺(じょうざいじ)は、東京都世田谷区弦巻の静かな高台に位置し、「おとなの寺子屋」として瞑想・ヨガ・和菓子教室など多彩な文化講座を展開するお寺です。
地下庭園や滝のある本堂は冷暖房・床暖房完備で一日中快適。四季折々の緑に包まれ、都会にいながらも五感で心を落ち着かせる時間が過ごせると好評です。

常在寺では毎月第3日曜日15時から写経・彩写経・写仏の体験会を開催(参加費2,000円)。法話15分、写経・彩写経90分という流れで、筆ペンと写経用紙は寺で全て準備され、初心者でも手ぶら参加OKです。
彩写経では6色(鶯色・藍色・桜色など)を選べ、正座が難しい方には椅子や机も用意されており、無心で取り組め、心身共に整う豊かな時間が体験できます。

常在寺
3.薬師寺東京別院|五反田

薬師寺東京別院は、奈良の薬師寺を代表とする法相宗の別院で、品川区五反田・池田山の高台にあります。元は住宅だった建物を改修したスタイリッシュで落ち着いた空間が特徴で、檀家に限らず誰でも気軽に立ち寄れるのが魅力です。
昭和43年から白鳳伽藍復興を目的とした写経推進の拠点として設立され、1300年続く薬師寺の精神を東京でも体感できます。

写経は毎日午前9:30〜午後5時まで随時受付(納経料2000円〜)、月2回は夜間にも開催(午後6〜9時)されています。筆や硯など道具はすべて道場に揃っており、初心者もスタッフによる説明があるので安心。
参加者は鉛筆または毛筆で般若心経や法相宗根本論書「唯識三十頌」を一文字ずつ丁寧になぞり、所要は1時間半~2時間程度。納経された写経は奈良・薬師寺本山に送られて永代供養されます。

薬師寺東京別院
自分と向き合う、静かなひとときを写経で
忙しい日々の中で、心を落ち着けて自分と向き合う時間はとても貴重です。写経は、難しい知識や技術がなくても始められる、誰にとっても開かれた仏教文化の入り口。
墨の香りに包まれながら、一文字一文字に心を込めることで、自然と呼吸が整い、心も穏やかになっていきます。東京には初心者でも気軽に参加できる寺院が数多くあり、それぞれに個性と魅力があります。
静寂の中で、あなただけの特別な時間を過ごしてみませんか?
❤️ おすすめ記事
この記事を書いた人🙋♀️

桐生 翔
一人旅とサーフィンが好きな自然派
と言えば聞こえは良いですが、飲み会もよく行く普通のサラリーマンです。笑
フッ軽を活かして、行ってみて良かった場所を紹介します。